今この記事を読んでいる方の中には、仕事に疲れ心身ともに疲弊している方も多いのではないでしょうか。
なかには「もう、明日から出社できない」「出社したくない」という方も、おられると思います。
この様な気持ちは決して特別なことではありません。
むしろ現在の様な出口の見えないコロナ不況の今だからこそ、このような思いを持つ方が多くなるのは当然のことだと思います。
実際にコロナ不況など関係なく、毎年様々な理由でたくさんの方が退職し新しい環境で、心機一転働いておられるのです。
繰り返しになりますが、退職したいという気持ちは、決して特別なことではありません。
誰しもが、仕事をする上で一度は悩み考えることなのです。
しかし、実際に転職となるといろいろと躊躇してしまい、一層深刻な事態に陥ることも少なくはないのです。
しかしちょっとしたタイミングや行動次第で、誰にでもすぐにその悩みから解放されることはできるのです。
人事担当者として、多くの人と接しそしてどの様な理由で退職した方がいるのか、また退職の準備とは一体どの様な事をすれば良いのかなど、本記事を通じてご紹介できればと思っています。
もしあなたが、今すぐ転職が必要としていたり、仕事そのものに悩んでいる場合、ぜひ参考にしていただければと思います。
【若年者雇用実態調査で見る】会社を辞めたい理由
いったいどの様な理由で仕事を辞めている方が多いのでしょう。
若年者雇用実態調査から考えてみましょう。
「若年者雇用実態調査(平成30年度)」の結果を厚生労働省が公表しています。
その中に若年者を対象とした調査項目があり問いのひとつに「卒業後初めて勤務した会社をやめた主な理由」があります。
この調査からみる若年者の離職理由は下記の通りです。
1:労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(30.3%)
2:人間関係がよくなかった(26.9%)
3:賃金の条件がよくなかった(23.4%)
4:仕事が自分に合わない(20.1%)
5:ノルマや責任が重すぎた(13.9%)
早速、順番に詳しくみていきましょう。
そして理由などを、現在の自分と比較してみましょう。
退職理由:第1位 労働時間・休日・休暇の条件問題
若年者離職者の約3割が「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」という理由で離職をしました。
しかしこの「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」という理由は、若年者に限ったことではなく、どの世代でも主たる退職原因となっているのです。
中には「疲れやストレスがたまり、休日は寝るだけ」という場合や、深刻化すると「残業やノルマ続きで意識がもうろうとした」といった状態にまでなってしまい、限界を超えてから退職に踏み切る方もいるようです。
・仮に早く仕事を終わらせても、次々に仕事をふられ息をつく暇がない。
・どう考えてもこなせない量の仕事が残っていても、残業禁止で時間に追われる毎日になった。
など、労働時間と仕事量のバランスの崩れから退職を決める方もいます。
なかには、せっかくの休日ですら会社内のイベントに半ば強制的に参加させられ嫌になっての退職決意という例も存在しているのです。
退職理由:第2位 人間関係問題
第2位はやはり「人間関係がよくなかった」という人間関係の問題です。
ことこの人間関係の問題は、勤続1年未満では最も多い退職理由となっています。
男女の性別による問題や様々な年代が集まるからこその世代間の問題はよく聞かれます。
上司や先輩からのパワハラやセクハラ、命令がコロコロ変わる上司の朝令暮改に悩まされている方は多いでしょう。
逆に、長年勤務されていた方の退職理由にも、年下の横柄な態度に辟易してということもあります。
例え同年代であっても・・・
・女性社員どうしがコソコソ陰口を言い合い話に合わせるのに疲れた。
・仕事をダラダラやってる同僚に腹が立つ となどの同世代の不仲もよくあります。
最終的には人間関係でウツになり、辞めざるを得なくなる人もいます。
逆にウツ状態と思いながらも、勤務している方もいます。
確かに仕事に熱心なことは大切ですし、生活を営む上で必要なことかもしれません。
でも、最良の仕事とは健康あってのことではなでしょうか?
精神的にウツ状態での仕事の維持は、本当に自分のためになっているのか考えてみてはいかがでしょうか。
退職理由:第3位 賃金問題
第3位の退職理由は「賃金の条件がよくなかった」でした。
とくにこれは特に勤続1~5年目の人が多い傾向でした。
給料は、モチベーションに大きく影響します。
「仕事量と給与額が見合ってない」とか「自分よりサボってる人と同じ給与額なのは、納得いかない」と感じると、転職を考えたくなりますよね。
たとえ、やり甲斐ある仕事や好きな仕事であっても、給料が安いと続きません。
しかし生活するうえで、今の給与が安くても仕方ないと思っている方も多いともいます。
でも、今の時代は勤務しながらでも「転職に備える」ことは可能なのです。
この様な場合は、現状で勤務しながら転職エージェントなどに登録し同時並行で、転職の準備をしてみてはいかがでしょうか。
勤務しながら同時並行で、転職準備をすることで離職期間などの無給の期間を少なくでき、結果として金銭的負担も少なく転職ができるのです。
給与が安く転職したいと思っている方には、このような転職エージェントをフル活用した同時並行での転職を強くお勧めします。
退職理由:第4位 仕事が自分に合わない問題
これもやはり、勤続1年未満の人に多くみられる退職理由です。
「興味がない部署に配属された」や「性格と合わない仕事をさせられる」など、自分と仕事のミスマッチに気づいて入社後すぐに辞める人もいます。
「毎日毎日、同じ仕事で嫌気がさした」や「お客様をだましてるようで心苦しい」といった理由から、働くうちにやり甲斐をなくすのもよくある話です。
仕事のミスが多くて上司に叱られ「自分は仕事ができない人間だ…もう辞めたい」と感じる人も多いようです。
退職理由:第5位 ノルマや責任問題
この項目は、勤続年数問わず退職理由の上位に挙がります。
販売や営業職種から「売れと言われても、売れないものは売れない」、管理職から「上と下との板挟みで、精神的につらい」などの声が聞こえてきそうですね。
医療現場では「人の命を預かる責任の重圧に耐えかねた」と辞める人もいるそうです。
仕事と関係ない「社内の飲み会の幹事をやらされ、うんざりしている」という理由もありますね。
【退職度チェック】ここまできたらは辞め時かもしれない
仕事をやめたくなったら、無理に仕事を続ける必要はありません。
特に以下のような状態のときは、やめ時と判断すると良いでしょう。
- 心や体の調子が悪い
- 休みが取りにくいなど、プライベートな時間が取れない
- 仕事に刺激を感じない
- 昇進や昇給のチャンスがない
仕事のストレスなどで体に疲労を感じていたり鬱のような症状が出ていたりするならば、すぐにでもやめるべきでしょう。
プライベートな時間が取れないなど、仕事によって自分の人生や時間が阻害されているのならば、無理に仕事を続ける必要はありません。
また、仕事の量が適切であっても、仕事をしていても刺激や成長を感じられないならば、やめどきかもしれません。昇進や昇給のチャンスがない場合も同様です。
その職場にいることで、自分の未来が明るくなると感じられないならば、成長のために転職してみるのもありでしょう。
会社を辞めたいと思った時にしっかりと考えておくべきこと
仕事を辞めたくなったからといって、すぐに辞めるのは無謀です。
本当に「退職」が唯一の問題解決方法が考え、計画的に進めましょう。
まずは、先ほどの「退職理由」を参考に、なぜ辞めたいのか理由を整理します。
それと同時に、退職理由や悩みをなくす方法がないか検討するといいです。
さらに、以下の2つは必ず考えておく必要があります。
- 辞めるリスクはないか
- 転職先が決まるまでの蓄えはあるか
新卒1年目の退職はリスキーです。
スキルや経験がまだ身に付いてないうえ、転職先の採用担当者から「また辞めてしまうのでは?」と懸念され、採用を見送られるかもしれません。
同様に勤続年数が短いと、今のお勤め先や学歴がよくても書類で落とされるケースもあります。
面接では必ず退職理由を聞かれると考え、回答を準備しておく必要があります。
だからと言って、2年目以降も、油断できません。
業種や職種を変えて転職する方は、年収ダウンも覚悟する必要があるでしょう。
転職活動が長引けば、預金(貯金)が尽きることも考えられます。
3~6か月程度は預金だけで暮らせる余裕がないなら、転職先を決めてから退職する方が安全です。
転職すれば問題が解決するのか、他の方法はないのか、検討することも必要でしょう。
あなたの退職理由は、異動すれば解決するかもしれません。
大事なのは、退職が最善の選択肢であるかをよく考えることです。
ここまで考えて「会社を辞めるのが最善」ということになれば、円満退職のための「表向きの退職理由」を考えましょう。
引き止めにくい、個人的な理由にするのがコツです。
例をあげてみましょう。
- もう内定をもらっている
- 将来やりたいことができた
- 新しく会社を立ち上げたい
- 家業を継ぐため実家に帰る
- 親の介護のため実家に帰る
- 家族が転勤することになった
- 最近、体調がすぐれない
どこの業界も狭く、退職時にもめるとウワサで広まることもあります。
わざわざ揉めたりしないよう、嘘も方便です。
バレない理由で引き止めを阻止しましょう。
会社を辞めたいと思ったら一度は試しておくべきこと
会社をやめる前に、ダメ元で以下のようなことを試しておくと道が開けてくる可能性があります。
- ダメ元で交渉してみる
- 思い切って仕事を全力で楽しんでみる
冷静な判断や良いアイデアを得るためには、十分な休息が不可欠です。
どうせやめる予定ならば、ダメ元で仕事の不満や待遇改善を交渉してみたり、信頼できる人に相談してみたりするのもよいでしょう。
意外と、良い方向に進み、仕事をやめる理由がなくなる可能性もあります。
最後に、やめる前に全力で仕事を楽しんでみるのもありです。
自分の中で目標を設計して、目標達成に向けて努力してみましょう。
仕事にやりがいを見つけられる可能性もありますし、周囲から必要な人として評価されて、職場にいやすくなる可能性もあるのです。
会社を辞めると決めた後にすべきこと
つづいて、仕事を辞めると決めた後にやるべきことをご紹介します。
まず、すぐに次の2つに取り掛かりましょう。
• 退職願(退職届)を出すタイミングを考える
• 引継ぎの準備
雇用期間を定めていない社員は、民法上(627条)、2週間前に退職の意思を伝えれば辞められます。
ですが会社の就業規則に従ったり繁忙期を避けたりする方が、揉めるリスクが下がるでしょう。
引継ぎの準備もしておくと、よりスムーズに退職できます。
働きながら転職活動するか、辞めてから転職活動するか、決めておくのも大切です。
それぞれメリットとデメリットがあるので、よく検討しましょう。
働きながら転職活動する場合
- 収入があるので妥協せず活動できる
- 内定が決まったことを理由に退職できる
- 仕事が忙しいと転職活動が二の次になる
- 面接の日程調整が難しい
辞めてから転職活動する場合
- 資格取得の勉強や情報収集する時間がある
- 面接の日程調整がやりやすい
- 預金が尽きる前に転職する必要がある
- 緊張感が解け生活が乱れやすい
転職で役立つような実績が作れるなら、積極的に取り組みましょう。
希望の職種に活かせる資格があるなら、挑戦してみるのもいいでしょう。
それほどレベルが高くないスキルでも「職種のスキル×英語」のように組み合わせることで強みになります。
退職はセンシティブな問題なので、悩むことも多いでしょう。
そんなときは1人で考え込まず、誰かに相談することも大切です。
あなたの周りに、こんな人はいませんか?
・社外の信頼できる人
・転職経験者
・転職のプロ(転職エージェントなど)
ここまで徹底的に準備が整っても、いざ退職の意思を伝えるとなると躊躇するものです。
そんなときは、まず「退職願い」を書いてみましょう。
退職願いを常にカバンに忍ばせておけば、心の準備が整ったり言い出すチャンスが訪れたとき、すぐに行動できます。
いざ退職へ!会社を辞めにくいときは
実際のところ「退職します」が言い出せない方は、たくさんいます。
引き止められたり、上司に叱責されたり、退職届を受け取ってもらえなかったり。
いろんなケースがあります。
ですが、退職は労働者の権利です。
信念ある退職で、前進しましょう。
あなたが辞めることで会社が回らなくなったり後任が決まらなかったとしても、それは会社の責任だから大丈夫です。
どうしても言い出せないなら、退職代行サービスを使ってみてはいかがでしょうか。
多くの方が退職代行サービスを使い、出社することなく退職に成功されています。
転職代行サービスの利用は、社会人として恥ずかしいことだと思われている方も、未だに多いと思います。
しかし、そのようなことは全く考える必要はないのです。
むしろ、1人で悩みグダグダと適当に勤務を続けるよりも、大人としての権利の行使をし次の段階を目指すことの方が正しいのではないでしょうか。
まとめ
退職理由としてあがるのは「労働条件・人間関係・賃金への不満」、次いで「仕事が自分に合わない」や「ノルマや重責に耐えられない」が多いようです。
仕事をやめたいと思ったときは、なぜそう思うのか、退職以外に解決方法はないのか、退職するとどんなリスクがあるか検討しておくとよいでしょう。
そのあと、転職活動や引継ぎの準備を始めましょう。
「立つ鳥、跡を濁さず」です。
転職を決めるからには、その事情はいろいろあったと思いますがその点は忘れないでください。